これからの季節酒の保存管理には十分気を付けてください

これからの季節酒の保存管理には十分気を付けてください

本酒って、保存のしかたが悪いと劣化しちゃうってホントですか?

酒仙人
そうなんじゃよ! お酒の多くは光や熱によって劣化をしてしまうのじゃが、特に日本酒はデリケートな商品が多くてな、保存管理がしっかりされておらんと簡単に劣化してしまうぞよ。気温が高くなるこれからの季節、皆の衆は適切な保存管理ができておるかの?

日本酒の保存管理でまず注意すべきことは、「紫外線」を遮断することじゃ。紫外線、特に太陽光を浴びると、ほんの数時間で「日光臭」という、焦げたような臭いが生じてしまうぞよ。太陽光以外にも、蛍光灯の中には紫外線を発するものがあるから、注意せねばならん。心すべし!

日本酒のラベルには古酒、熟成酒、熟成古酒、長期熟成酒、秘蔵酒などと書かれて市場に出回るんじゃ。熟成年数はさまざまじゃが、中には10年以上の古酒なんかも売られておるぞよ。

次に注意すべきことは、「低温で保存」するということじゃな。日本酒は常温(20~25℃)以上の場所に放置すると、熱のダメージを受けて「老香(ひねか)」という不快な臭いが生じてしまう。じゃから、10℃以下の冷蔵庫で保管するべし。

ただし、近年、日本酒は「熟成」がキーワードとなりつつあるのじゃ。正しい条件下で熟成された日本酒からは「熟成香」という独特の香りが生じる。逆に手間暇かけて熟成をさせても、暑い場所や光が当たる場所に置いておけば、熟成をせずに劣化してしまうぞよ。

FBOとSSI(日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会)では、日本醸造協会の非常勤顧問である石川先生をお招きして、「保存方法により異なる香味の原因を探る」というテーマのセミナーを7月30日(火)に行うんじゃと。同セミナーでは、「保存条件の違いが日本酒の香味にどのような影響を与えるのか」をテイスティングをしながら探り、正しい保存方法について学ぶぞよ。また、熱のダメージで生じた「老香」、正しい熟成条件で生じた「熟成香(じゅくせいこう)」の見極め方も学べるのじゃ。